概要
OVERVIEW
土手真悟(1964年9月16日 ― )は、日本のアミューズメントマシン(AM)開発者・プロデューサー。株式会社マーベラス取締役として、同社のAM事業を管掌する。
セガ時代から約40年にわたりAM機器の開発に携わり、UFOキャッチャーシリーズ、初代プリント倶楽部(プリクラ)、世界初のVRゲームアトラクション群、ポケモンのキッズカードゲーム機シリーズなど、時代を象徴する製品・施設を世に送り出してきた。AM機器の機構に関する特許は80件を超える。
機械設計者として出発し、企画・ディレクション、事業統括へと領域を広げた、ハードとソフトの両方を理解する数少ない開発者の一人。一方で、登山・ドローン映像制作・バンド演奏・「歌の書道」といった創作活動を本格的に続ける、多趣味な実作者でもある。
人物像
CHARACTER
根底にあるのは、「面白いものを作って売ってなんぼ」という徹底したメーカー気質。技術そのものを目的とせず、人を驚かせ感動させるための手段と位置づける。
代表作の多くに共通するのは、デジタルの仕掛けの先に「物が払い出される」「身体で遊ぶ」というアナログで手触りのある体験を必ず残している点。プライズ機からVRアトラクション、キッズカードゲーム機まで、その姿勢は一貫している。
ハードとソフトの融合
「デジタルとアナログの融合」「次世代のアナログ」。最新技術を、人の手に届く瞬間の手応えへと翻訳する。
感動の実装
画面の中のものが現実の手元に出てくる ― その驚きと高揚を、機構の発明として形にしてきた。
実作者であること
機械設計・映像・音楽・書。領域は違っても、すべて「自分の手で形にする」一点で貫かれている。
尊敬する人物
スティーブ・ジョブズとイーロン・マスク。技術とアートの境界に立ち、常識を作り変えた作り手への共感。
好きなもの・こと
好きな言葉
好奇心と行動力が、人間の価値を決める。
面白き事もなき世を、面白く。
便利ではあるが、幸せではない。
来歴
HISTORY
1964年9月16日、奈良県橿原市に生まれる。地元の小・中学校を経て近畿大学附属高校に進学し、近畿大学理工学部 金属工学科を卒業(1987年)。素材・機械を学んだ工学の素養が、後年の機構設計者としての出発点となった。
機械設計者から、企画・ディレクションへ
1987年セガ入社。第四AM研究開発部(AM4研/メカトロ研)で機械設計者としてキャリアを始め、UFOキャッチャーのアーム機構やメダルゲーム「ワールドダービー」の馬メカなど、AM機器の心臓部を担う。その後企画課を自ら立ち上げ、プランニングセクションのマネージャーとして企画・ディレクションを統括した。
- プライズ(UFOキャッチャー) ― 第2世代以降〜UFO7まで長年ディレクション。クレーンゲームを定番に育てた中心人物の一人。
- プリント倶楽部(プリクラ) ― 初代にディレクターとして関与。アトラスとの共同開発で写真シール機という新ジャンルを確立し、1990年代半ばに社会現象を起こした。
- メイキング倶楽部シリーズ ― ネーム/スタンプ/アロマ/カレンダー/コロコロ/オーラ写真倶楽部など、印刷・出力系を多数展開。MCスタジオという未来型写真館も手がけた。
- その他のAM機 ― シャカっとタンバリン(NAOMI)、スポーツフィッシング(LD→ST-V)、ゴールデンウエーブ(メダル機)、ウエスタンドリーム(メダル機)ほか。
テーマパークと、世界初のVRアトラクション
1990年代前半、セガの屋内型テーマパーク事業の中核開発に関与。テスト店「ガルボ」(大阪・南港ATC/1994年4月14日開業)に始まり、1号店「ジョイポリス」(横浜・新山下/1994年7月20日開業、開発時の仮称「LUNAR」)、2号店「東京ジョイポリス」(お台場)と続いた各施設で、アトラクションの多くを手がけた。
その目玉が、世界初のVRゲームアトラクション「VR-1」(型番 AS-1000)。HMDと360度動くモーションライドを組み合わせた、当時最先端の体験だった。あわせて世界初のシューティング型コースター「レイルチェイス・ザ・ライド」、「ゴーストハンターズ」「マッドバズーカ」「アストロノミコン」などを構想・開発。本人保管のイメージ画から、VR構想(1991.3)→ VR-1初期案(1992.3)→ レイルチェイス(1992.4)→ ゴーストハンターズ(1993.3)という開発の流れが裏づけられる。
著名人の視察
本人の証言によれば、来訪したマイケル・ジャクソンにプリクラを撮ってもらい、VRアトラクションの企画書を見せたという(Webマガジンの座談会企画でも語られ、当時のプリクラ現物も残る)。さらに1990年には、マイケル・ジャクソンのゲーム「ムーンウォーカー」の筐体版(アーケード版)の設計に加わっている。
AM事業をゼロから立ち上げ、統括へ
セガ退社後、2007年にAQインタラクティブのAM事業部部長に就任。同社がマーベラスと統合したことで、マーベラスのAM事業の礎を築く。中山隼雄氏のもと、営業部門の担当者とともにゼロからAM部門を立ち上げた。代表的な仕事が、画面で捕まえたポケモンが実際のカードとして払い出されるポケモンのキッズカードゲーム機シリーズである。
- ポケモンバトリオ(2007)― シリーズの起点。
- ポケモントレッタ(2012)― 擬似オンデマンド排出機構を発明・特許化。
- ポケモンガオーレ(2016)― 50インチの巨大モニターを採用。
- ポケモンメザスタ(2020)― 2画面合体機構とリボルバー式配出メカを発明・特許化。
- ポケモンフレンダ(2024)― シリーズ最新作。
このほか、メダルゲーム「みんなでダービー」(2009)、プライズ機「トライポッド」(2017)なども手がける。2026年6月、取締役(AM管掌役員)に就任。開発・営業・生産・メンテナンス・プロモーションまでAM事業全体を統括し、2025年には上海・シンガポールに海外拠点を設立するなど、グローバル展開も指揮している。
仕事
WORK / ACHIEVEMENTS
代表的な制作物
| 分野 | 主な製品・施設 |
|---|---|
| プライズ | UFOキャッチャーシリーズ(第2世代〜UFO7)、ufoあらかると、トライポッド ほか |
| プリント系 | 初代プリント倶楽部(プリクラ)、メイキング倶楽部シリーズ、MCスタジオ(未来型写真館) |
| 大型・体感 | VR-1(世界初VRアトラクション)、レイルチェイス・ザ・ライド、ゴーストハンターズ、ガルボ、ジョイポリス(横浜/お台場) |
| メダル/ビデオ | シャカっとタンバリン、スポーツフィッシング、ワールドダービー、ゴールデンウエーブ、ウエスタンドリーム、みんなでダービー ほか |
| キッズカード | ポケモン バトリオ/トレッタ/ガオーレ/メザスタ/フレンダ |
特許・発明
機械設計を出発点とする発明家。「物が出る」「物を掴む」といった体験の核を、機構の発明として実装してきた。
主な発明
- UFOキャッチャーのアーム機構
- ジオラマに映像が合成されるライドアトラクション
- トレッタの擬似オンデマンド配出機構
- トライポッドのアーム機構
- メザスタの2画面合体機構
受賞(製品)
業界誌「コインジャーナル」2001年1月号 掲載
AI推進
誰よりも、使い倒す
取締役として社内のAI推進室を管掌。加えて3年前から自らAIに関心を持ち、社内の誰よりも使い倒してきた。仕事の効率化にとどまらず、登山動画の編集や音楽の創作など、趣味の制作活動にもAIを取り込んでいる。新しい技術を、まず自分の手で試す姿勢は、機械設計者だった頃から変わらない。
趣味・創作活動
PURSUITS
趣味を「もう一つの本業」と呼べる水準で続けている。登山・映像・音楽・書 ― いずれも自分の手で形にする実作であり、発信の場を持つ。
登山・映像制作 ― YouTube「山とドローン日記」
50代から本格的に登山に取り組み、日本百名山を中心にアルパインの領域にも踏み込む。槍ヶ岳・剱岳の登頂が特に思い出深く、家族5人での登頂も経験。目標の一つに奥穂高岳。映像制作はドローン・カメラ・編集・CG・AIまですべて独学で、動画編集歴は15年以上。
テレビ番組への映像提供も多数(テレビ東京「よじごじDays」、BS日テレ「友近・礼二の妄想トレイン」、TBS「俺たちロマンチック少年ボーイ」、フジ「呼び出し先生タナカ」、日テレ「鉄腕DASH/DASH海岸」ほか7番組)。
音楽・バンド活動
40代からドラムを始め、現在は4つのバンドで活動。
- サザンヴィンテージーズバンド ― サザンオールスターズのトリビュート。リーダー兼ドラム(「えぼし岩」担当)。2006年から横浜のライブBAR風鈴で毎月第3金曜に開く「風鈴サザン会」は約240回。2017年1月9日に東京FMホールで10周年ワンマンを開催し、記録DVD「10TENイヤーズからっと」(全27曲)を制作。桑田佳祐本人もバンドの存在を認知しているという。
- ユーミンブランド ― 松任谷由実のトリビュートバンド(現在休止)。
- サマーオールスターズ ― 夏季限定。逗子サーファーズ ほか。
- 河村和範&サザンブラザーズ ― 新宿ケントス ほか。
バンド活動はYouTube「チャンネルえぼし トリバン道」(登録者 約8,200人/約579本)でも発信。
主なライブ履歴
歌の書道
書道講師である父・土手誠が続けてきた教室を横浜で引き継ぎ、サザン仲間を集めて主宰。サザンの曲を聴きながら、その歌詞やタイトルを書にするという独自の形式が特徴。生徒は約25名、毎月1回開催で、すでに16回を数える。音楽・書・コミュニティをひとつに束ねた創作の場。
メディア掲載・出演
MEDIA
新聞・雑誌・テレビ・ラジオ・Webに、製品/施設の紹介や本人インタビュー、趣味の活動として多数掲載・出演している。本人が登場した主なものは以下の通り(出典の詳細は別添 Excel台帳を参照)。
テレビ・ラジオ出演- ニュースMASTER(TV) ― 「MCスタジオ プリクラを作ったプロデューサー 土手真悟」として出演(2007年頃)。
- レインボータウンFM「YYタイム・ニュイII」 ― ゲスト出演「今までの仕事の話」(2026年2月15日)。
- テレビ神奈川(tvk) ― スタジオ生出演(2013年頃、ヴィンテージーズ)。
- フジテレビ「おじゃMAP!!」 ― 横浜・大さん橋ロケで、演奏中のサザンヴィンテージーズに遭遇する場面で登場。
- 読売新聞(朝刊) ― 連載「研究開発の現場から ― プリント倶楽部」(1996年12月26日)。
- 日経MJ ― 匠ファイル「『プリクラ』生んだ娯楽の仕掛人」(2007年)。
- 日経MJ ― トライポッド紹介「ルーレット風 新ゲーム」(2017年4月24日)。
- 岐阜新聞 ― ヴィンテージーズ岐阜ライブ評「サザンの名曲 聴衆200人酔う」(10月1日/掲載年は未確認)。
- AMジャーナル ― 単独インタビュー「アイデアを形にするバランス感覚」(1996〜97年)。
- PRIZE PRESS ― 「メイキングクラブシリーズの展望」(1997年)。
- 月刊アルカディア ― 「先駆け! NAOMI塾 シャカっとタンバリン!」(2000年)。
- 月刊コインジャーナル ― UFOキャッチャーシリーズ 受賞掲載(2001年1月号)。
- ファミ通DC ― 「プライズの達人」(2001年)/セガAM特集 ST-V(1995〜96年)。
- TV LIFE ― '97年予測特集 ゲーム編に識者として登場(1996年末)。
- SEGA KORE ― 「AM STRATEGY」(2002年頃)。
- Amusement Journal ― ポケモントレッタ対談(2012年)/ガオーレ対談(2016年)/トライポッド対談(2018年)。
- Beep21 ― 「真・セガハード列伝 ― VR-1秘話」(座談会)。
- Beep21 ― ジョイポリス誕生秘話(本人の自筆コンセプトスケッチ掲載)。
- Beep21 ― マイケル・ジャクソン来訪エピソード。
- テレビ東京「よじごじDays」(2024.3.22)
- テレビ東京「山のスペシャリスト密着SP」(2024.5.30)
- BS日テレ「友近・礼二の妄想トレイン」(2024.6.7)
- TBS「俺たちロマンチック少年ボーイ」(2025.5.26)
- フジテレビ「呼び出し先生タナカ」(2025.7.31)
- 日本テレビ「鉄腕DASH/DASH海岸」(2026.4.1)
- 特番「カズレーザー×澤部のズームズームズーム!!!」(2026.6.12)
年表
TIMELINE
典拠について:本Wikiの事実関係は、本人提供の資料および別添 Excel「土手真悟_メディア掲載台帳.xlsx」(メディア掲載・プロジェクト掲載・イメージ画/資料写真・趣味メディア・バンド活動年表の5シート)に基づく。掲載紙誌・放送局の記事画像は各発行元に著作権があり、本Wikiでは事実の引用・参照にとどめる。本人が描いたイメージ画・撮影写真は本人の著作物として公開版でも利用可能。
未確定事項:岐阜新聞掲載のライブ記事は掲載年が未確認(「10月1日」のみ判明)。